もうすぐ始まるElliott Erwitt展

©︎Magnum Photos / Elliott Erwitt

 

こんにちは!先日スタートしたこのコーナー、「Weekly Andy」Vol.2です。

  10月も半ばの今日この頃。どことなく今年の終わりも近づいてきて、月日が経つことの早さに気付くと同時に、毎日を無事過ごせていることに自然に感謝をしちゃったりもして。

 今回はそんなこの時期にぴったりの写真家、日常のふとした瞬間に光を当て続ける「Elliott Erwitt」氏についてです。
エリオット・アーウィットさん、今年御年90歳で今なお現役の写真家。被写体には人物と動物(特に犬)が多く、かの有名なマリリン・モンローやJ・F・ケネディ氏等そうそうたる著名人から市井の人々まで。みな等しく愛情をかけ、大切にシャッターを切り続けてきました。

 「私にとって写真とは観察の芸術だ。ありふれた場所で何かおもしろいものを発見することだ。自分が『何を』見ているかというのはあまり関係ない。それを『どのように』見ているか、がすべてである」

これはアーウィット氏の言葉です。このことがよく分かる写真が「USA,1946.New York City.」。小犬と女性の足のみが写っている写真ですが、実はこれ、数倍もの大きさの写真をこの部分のみにトリミングしたもの。後に彼はインタビューでこの写真について、「犬の視点で撮っている」「犬と女性の足とのコントラストに惹かれたんだ」と語っています。様々な“超・瞬間”を偶然撮っていると思われがちな同氏ですが、このように「伝えたいこと」ははっきりしていて、実は緻密な計算に基づいて撮影されたものが大多数。でもそれを感じさせない自然な作風はさすが。

 代表作は数えきれないほどあり、そのどれもがアーウィットさんに丁寧に観察され、写真という形でこの世に残された、たくさんの美しい瞬間です。

 Gallery Enzoでは11月1日から”LIVING”と題し、そんなアーウィットさんの作品展を開催します。「アーウィットさん視点」の世界を眺めたら、誰もの人生が素晴らしい瞬間の連続でできているということを改めて感じられるはず。今年1年を振り返りながら、リビングで寛ぐようにのんびりと、そんな時間を過ごしてみませんか?

 ああとても1回では語りきれませんでした。アーウィットさんについて、次回以降も続きます!

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エリオット・アーウィット略歴

■1928年 パリで生まれる、11歳でアメリカへ移住

■1944年 ハリウッドの写真現像所で働き、その後写真学校へ進学

■1949年 写真家としての活動開始

■1953年 ロバート・キャパの推薦でマグナム・フォトに参加。次々と作品を発表する

■1968年 マグナム・フォトの会長になり、その後3期勤める、今日まで多くの写真集を刊行