<Weekly Andy>UKIYO-E PROJECT展 レポート3

今回の展示のお話をいただいた時点では、浮世絵についての知識がほぼ0に近かった私たちENZOチーム。でもいろいろな背景を伺っていると素晴らしい事ばかりで、これはぜひ、ご覧になる方にもたくさんの事を知ってもらいたい!という気持ちに。

そういったことから、「ただ展示をするだけではなくて立体的な企画にしたい」、と思ったのです。

というわけで、“お寺で抹茶とワークショップ”に続くは、「美食と談」@レスピラシオン!

レスピラシオンとは、金沢市の近江町市場近くにある、町家を改装した一軒家レストラン。スペイン料理をベースにした独創的なお料理を、若きシェフ達が創作しています。

金沢の町並みに溶け込む”respirasion”のハザード 
オープンキッチンとシェフたち

料理の味、プレゼンテーションは勿論のこと、店舗の内装や器のセレクトまで、どれをとってもハイセンス。その素敵な店内にて、まずは国際浮世絵学会 常任理事の新藤先生による浮世絵トークショーからスタート。

ちょっと待って、国際浮世絵学会…?と思いませんでした?そうなのですよ、全世界に浮世絵の研究家達が何百人といらっしゃるそうで、先生はその中枢のお一方。そして「UKIYO-E PROJECT」においては全体の監修をされています。今回は珍しい浮世絵を何点もお持ちくださり、浮世絵を知る手がかりをお話下さいました。

江戸時代に摺られ、状態が良いまま残っていたおかげで現代に辿り着いたという数枚の浮世絵は、まるでタイムカプセルのよう。グラフィカルで今見ても新しく感じる当時の浮世絵。作品の成り立ちや技術についてのお話を聞けた、あっという間の30分間でした。

その後はレスピラシオンの素晴らしいお食事。こちらのお店では、一品ごとに作品名がついているのです。

例えば、海老のペーストが乗ったフィンガーフードは「再構築」、季節によって食材が変わるパエリアは「伝統と革新」などなど。さながらアートピースのようで、目にも舌にも心にまでも、嬉しいひととき。

もちろん会話の内容は浮世絵についてが中心…ですが、新藤先生、実はかなり気さくな方で、会の後半はもっぱら日本の「妖怪」について皆さんとお話されてました。←「豆腐小僧」とか笑。これがどれもかなりかわいかった

浮世絵の研究を小学校4年生からされているという先生(!)。浮世絵を知るために、関連する歌舞伎から江戸時代の流行、世相、はたまた妖怪まで。縦横無尽な和の知識、そしてシェフ達渾身のお料理とお酒、それらを彩る「UKIYO-E PROJECT」の作品郡。料理でいえば、マリアージュ。そうだ、それだ!そんな、様々が溶け合って融合した、なんだか心地よい良い時間。でした。

ENZO SHOP / Gallery ENZOでの展示は、〜8/25(日)まで行っています。見逃した方、もう一度ご覧になりたい方は、加賀でおまちしています〜!